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きゃわわ天使☆ねこ

昨年のいつごろだろうか。物置に野良の黒猫が住み着いた。

猫の中でも可愛い猫だ。人間界で言うならば相武紗季さん。ご結婚おめでとうございます。

ここで一つ、僕の魂のラップを聞いて欲しい。

「僕の予想じゃだいぶ先 けれど今日入籍の相武紗季 そこらの男はライフなし 週刊誌さえ合図なし 文明潰えて狩り暮らし ちぇけら♪」

と、まぁ、話がずれたので元に戻すが、とにかく猫界の上位に入る可愛さなのだ。

うちの家族はみんな動物が好きなので、瞬く間にアイドルロードまっしぐら。そんなアイドル猫は僕たち家族に黒ちゃんと名付けられた。

とはいえ、うちは犬を飼っている。うちのお犬様も屈指の可愛さなのだが、黒ちゃんを見かける度に吠えかかってしまう。

なので家で飼うことはできず、とりあえず見守る程度だった。

そんな黒ちゃんはメスだったようで、昨年の春に赤ちゃんを産んでいた。

これまた可愛い。きゃわわ天使なのだ。しかも、そんな可愛い子ちゃんが4匹ほどいるのだ。

黒ちゃんにたまに威嚇されながらも、僕はたまに子猫を覗きに行っていた。

それからしばらく、黒ちゃん一家はいたりいなかったりしていた。夏になると姿を見ることもなくなってしまった。黒ちゃんを10月頃に何度か見かけることはあったが、それ以来見かけなくなった。

 

2016年になり、僕はもう黒ちゃんのことをすっかり忘れていた。

春に花粉に苦しむ、そんな例年の通りの春を迎えた。

そんなときだった。僕が家でぼーっとしていると、母親がこう言った。

「黒ちゃん帰ってきたみたいだよ!」

 

わお

 

わお!

僕は走って物置にいった。

昨年黒ちゃんのいた場所、そうダンボールの中を覗いたら黒ちゃんがそこにいたのだ。

相も変わらずかわいい。

黒ちゃんはダンボールの中で丸まって何も言わずにこちらを見ていた。

それから数日覗きに行った。餌をあげるのはまずいので、水をダンボールの近くにおいていた。

 

しかし、突然黒ちゃんはそこから姿を消した。

今回は早めのさようならだなぁ、と僕は少ししょげていた。

その3日後、いつものように犬を庭に放すと、物置へ駆け寄りワンワンと吠え始めた。

最初は鳥でもいるのかと思っていたが、いくらなんでも吠えすぎている。

様子を見に行くと、いつもとは違う場所にあるダンボールの中に黒ちゃんがいた。

暗くて目以外はよく見えなかったのだが、綺麗な黄色いあの目は黒ちゃんの目だった。

動くことなくじっとしていたので、おそらく妊娠しているのだろう。

その数日後、父は子猫の鳴き声を聞いたのだと言う。

しかし、覗いても子猫も見えないし、鳴き声も聞こえてこない。

 

そして今日、ダンボールの中に黒ちゃんがいないのを確認し中を見てみることにした。

なんと、今回は遠くからではなく近くからだ。

恐る恐るダンボールの上に乗っているものなどをどかし、中身がちゃんと見えるようにすると、そこには4匹ほどの子猫が。

きゃわわわわ!

きゃわわ天使は今年も無事に生誕していたのだ。

 

野良猫なので何をしてあげられるわけじゃないが、きゃわわ天使達には元気に育ってほしいと思うのでした。

 

では。

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